ダイアモンドは宝石として有名な鉱物ですが、パワー半導体材料としての注目も集めています。現在、Si(シリコン)に代わるパワー半導体材料としてSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)が盛んに研究されていますが、ダイアモンドはそれらに比べて優れた物性値を持ちます。そのため、高耐圧・高周波数動作・高温動作・放射線耐性を持つデバイスとして期待されています。
近年、ダイアモンドパワーデバイスの研究は発展し、2016年には産業技術総合研究所 と金沢大学の共同研究によってMOSFETの動作が実証されました。しかし、ダイアモンドMOSFETには様々な課題が残されており、その一つとしてMOS界面の電界効果移動度の低さが挙げられます。バルク中のホール移動度4500[cm2/Vs]に比べ、ホールの電界効果移動度は10[cm2/Vs]程度しか示しません。
電界効果移動度の低下にはMOS界面に存在する欠陥が寄与していると考えられていて、私たちは電流検出型ESR(EDMR)によってその起源を特定することを目指しています。ダイアモンドMOSFETは世界でも一部の研究機関だけが作成できるため、このデバイスに対して実験を行うことができる研究グループは限られています。そして、梅田研究室はダイアモンドMOSFETに対してEDMR測定を行える唯一の研究グループです。
|
図1 ダイアモンドMOSFETの電流特性 |
産総研から頂いたサンプルをEDMR測定用の試料プレートに加工し、電気特性を測定しました。MOSFETとして適切な動作が確認され、電気的接触に問題がないことがわかりました。現在、EDMR測定を進めています。 |
[Page top]